SMA(脊髄性筋萎縮症)とはどんな病気?~症状&病気とどう向き合っているのか

SMAと生きる

※この記事に書いてあることはあくまで体験です。詳しくは医療機関で確認してください

私はSMA(脊髄性筋萎縮症)という難病です。

SMAなんて聞いたことないという人は多いのではないでしょうか?
10万人に1人~2人の難病なので、出会う確率は少ないでしょう。
私もSMAの友達はとても少ないです。

この記事はSMAの症状の体験談を知りたい人病気や障害とどう向き合っているのか知りたい人に向けて書きます。

SMAってどんな病気?

SMAはSMN遺伝子という遺伝子の変異によっておきる病気です。
症状や発症年齢によって4つの型に分かれます。

全ての型で筋力低下と筋萎縮を示し、深部 腱反射 の減弱・消失が見られます。
I型は生後6か月ごろまでに発症、運動発達が停止し、体幹を動かすこともできません。支えなしに座ることができず、哺乳困難、 嚥下困難 、誤嚥、呼吸不全を伴います。舌の細かい振えがみられます。人工呼吸器を用いない場合、死亡年齢は平均6〜9カ月、95%は18カ月までに死亡するといわれており、生命を救うためには、多くの例で気管内挿管や気管切開と人工呼吸管理が必要となります。
II型は支えなしに立ったり、歩いたりすることができません。舌の 線維束性収縮 、手指の振戦がみられます。成長とともに関節拘縮と側弯が著明になります。また、上気道感染に引き続いて、肺炎や 無気肺 になり、呼吸不全に陥ることがあります。
III型では立ったり歩いたりできていたのに、転びやすい、歩けない、立てないという症状がでてきます。次第に、上肢の挙上も困難になります。発症は幼児期、小児期です。小児期以前の発症では側弯が生じます。
IV型は成人発症です。側弯は見られませんが、発症年齢が遅いほど進行のスピードは緩やかです。下位運動ニューロンのみの障害であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が上位ニューロンも障害されるのと比較されます。

難病情報センター

私は2型です。

赤ちゃんの時立ってたみたいですが、お年寄りみたいにすごくゆっくり立つ様子を見た家族がおかしいなと思い、病院に相談して発覚したみたいです。

私が感じている症状

SMAは個人差はありますが、とってもゆっくり筋力が落ちてくる病気です。
数年単位ではあまり違いは感じませんが、とても長い目で見たら昔より体動かしにくくなったなあと思います。

体の中心に近づくほど動かしにくく、体の末端に行くほど動かしやすい傾向にあります。
立ったり歩いたりなどの大きな動作はできませんが、指先はある程度は動かせます。

物心ついた時にはもう歩けなかったので、小さい時からずっと車いすに乗って生活しています。

側弯といって背骨が曲がってしまう症状もあります。
骨や内臓に負担がかかってしまうので、座るときには体幹装具(コルセットのようなもの)をつけて生活しています。

関節がだんだん曲がってきて固まってしまう関節拘縮という症状もあります。
週に2回くらいPTのリハビリで関節を動かしてもらい、予防をしています。

呼吸する力もとても弱いです。
夜は特に呼吸が弱くなるので、寝るときだけ鼻マスクの呼吸器をつけています。

一番大変なのは風邪などの呼吸器感染をしてしまった時です。
咳をする力が弱く、自分で痰が出せません。
放っておくと息が苦しくなってしまうので、カフマシーンという咳を補助する機械を使って痰を出しています。
初めて使った時はとても苦しかったですが、痰がすっきり出るので今では使い慣れて大好きです(笑)

治療薬について

SMAにはこれまで治療薬は存在しませんでした。しかし2017年にスピンラザという治療薬が誕生しました。
スピンラザについては別記事で詳しく書いてあります。

できることとできないこと

SMAは筋力が落ちる病気なので、自分ではほとんど体が動かせず、日常生活には常に介助が必要です。
身体を動かせる度合いは個人差がかなりあり、冒頭で書いた型によっても変わってきます。

ここで書くのはあくまで私の状態ですが、指先は比較的動かしやすく、スマホやパソコンの操作は一人でも可能です。

食事も目の前に置いてもらえたら食べることができます。
重い食器だったり、机の高さが合わなかったりしたら食べれない時もありますが。

電動車いすに乗っていたら移動することもできます。

しかし、トイレやお風呂、着替えや車いすの乗り降りなどは介助してもらわなければできません。寝返り、調理、洗濯、ドアの開け閉めなど数えたらきりがないほど一人ではできないことがあります。

障害があるからこそできることもある

できないことを並べると、さぞかし大変そうでつらいように思われるかもしれません。
しかし、物心ついた時から大抵のことができなかったので、私にとってはできないことが当たり前です。
むしろ立って歩いて自由に動き回れるのがどういう生活なのか、想像ができません。

もちろん体が動かないことで不便に思うこともあります。
一人で出かけることはできないですし、階段だらけのところには行くこともできません。
何をするにも介助が必要なので、就学や就職の選択肢が極端に狭いです。
正直、体が普通に動いていたらもっと自由に生きれていたのに…と思うこともたまにはあります。

でも自分の体が嫌で嫌で仕方ないのかというと、そうではありません。
体の制約があるからこそ、体験できていることもたくさんあるなと思います。

たとえば私は時々講演活動をしていて、今までの人生の体験を主に話しますが、障害がなかったらたくさんの人の前で自分の人生を話すことなんてなかったと思います。

他にもOriHimeという分身ロボットを使って仕事をしていますが、OriHimeも障害がなかったら出会わなかったのではと思います。

障害のせいで苦労した面もたくさんありますが、障害があるからこそできることもあるのです。

障害とは社会での生きづらさ

障害も病気も同じような意味に思ってる方も多いと思いますが、全く違います

病気は私の体の中で起こっていることで、つらくても体調と相談しながらやり過ごしていくしかありません。
障害は病気の状態のまま社会で生活しようとしたときに現れるものです。

社会は健常者といわれる大多数の人に合わせて設計してあります。
健常者・障害者という言葉も社会が作った言葉だと思っています。

社会が想定している健常者という枠から少しでもはみ出てしまうと、障害者というカテゴリーになり、一気に生きづらさが押し寄せてきます。
その生きづらさこそが障害です。

こうした社会のひずみや不完全さを知ることができたのもSMAとして生まれたからです。
知ったからには自分の体験を発信して、誰もが生きやすい社会になるために少しでも力になれたらいいなと思っています。

運命のとらえ方

病気というと重苦しい感じになってしまいますが、私自身はあまり深刻には受け止めていません。
病気で大変なことももちろんありますが、病気があってもなくても、誰もが大変さや辛さを抱えて生きているものだと思います。

どこで聞いたかは忘れてしまいましたが、自分の運命のとらえ方について好きな話があります。

人は生まれるときにいくつかのカードを引かされます。
そのカードには「背が高い」「背が低い」「貧乏」「お金持ち」「おしゃべり」「おとなしい」などランダムにいろんなことが書いてあります。
たまたま引いたものがその人の要素となるというものです。

強いカードも弱いカードもありますが、使い方次第で人生が変わってきます。
弱いカードが強くなったり、強いカードが弱くなったりもします。

私も生まれるときにたまたま「SMA」のカードを引いたのだと思っています。
実際にそんなカードがあるわけではありませんが、とてもしっくりくる考え方だと思っています。

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