スピンラザ体験談~入院スケジュールや治療を重ねるごとの変化~

SMAと生きる

※治療をする度に追記していきます
※詳しいことは医療機関に確認してください。この記事はあくまで個人の体験です。

私の病気SMAには根本的な治療法は今までありませんでした。
できるのはリハビリや痰を出しやすくするなどの対症療法だけでした。

それが2017年に初の治療薬スピンラザが日本で承認されたのです。
この記事ではどのような治療なのか、入院のスケジュール、治療後の効果など、私が実際に体験してきたことをお伝えしたいと思います。

SMAは患者数が少ないので、治療について相談できる人が少なく困りました。
でもネットで調べると体験談ブログなどが載っていてとても参考になりました。

治療の様子やスケジュールを知りたい人実際体験した人の感想が知りたい人の参考に少しでもなれたらいいなと思います。

スピンラザを初めて知ったきっかけ(2018/4)

普段通っている小児科(子供の時になる病気なので大人になっても小児科で診てもらう人もいる)の定期受診の時に、先生に紹介されて、初めてスピンラザのことを知りました。

先生は詳しく薬の作用する仕組みや、投与方法どの程度の効果が見込めるかなどを説明してくれました。

スピンラザが作用する仕組み

薬が作用する仕組みはすごく難しいのですが、簡単に説明します。

私達SMAの人はSMN1という遺伝子が変異していて、SMNタンパク質というのが十分に作られないために、筋肉が萎縮してしまいます。

SMN1遺伝子と同じ働きをするSMN2という遺伝子があります。
スピンラザはそのSMN2遺伝子のお手伝いをすることによって、SMNタンパク質をたくさん作って、筋肉の萎縮を阻止しようという薬です。

投与の方法

投与方法は髄注です。

髄注というのは背中から針を入れ(腰椎穿刺のこと。別名ルンバール)、脊髄に直接薬を入れる方法です。
かなり侵襲的(体を傷つける)な方法なので、治療には二泊三日くらいの入院が必要ということでした。

普段通っている病院では対応できないので、もし治療を希望する場合は大学病院に紹介状を書くと言われました。

スピンラザの効果

薬の効果については、治験ではまだ症状のあまり進んでいない子供のデータしかないため、成人の患者さんにはどの程度効果が出るかはやってみないと分からないと言われました。

しかし、1型の子供が立位を取った例もある(1型の患者さんは本来寝た姿勢しか取れない)ということで、私のような成人の患者でも手の機能などが少し良くなるかもしれないとのことでした。
機能が回復まではしなくても、現状維持する効果はあるだろうと言われました。

ネットに載っている体験談も参考にしながら治療するかどうか考えてみてと言われて、その日の診察は終わりました。

スピンラザのことを知った時の気持ち

スピンラザのことを聞いて、正直めちゃくちゃびっくりしました。

私が生きている間に薬ができるなんて!予想もしなかったことです。
自分の病気はもう一生治ることはないものなんだと、病気であることが当たり前のように思っていました。
他人から見れば嬉しいことなのでしょうが、私はあまり嬉しくもなく、何とも言えない複雑な気持ちでした。

スピンラザで完治することはなさそうですが、これからどんどん薬が開発されて体が動くようになるのかな、歩けるようになったりしたらどうやって生きていこうとかも考えました。

歩けたら便利だろうなとかは思う時はもちろんありますが、もし現実に歩けるようになるよ!と言われたらとても戸惑うと思います。
物心ついた時から歩けないので、歩けるようになったら今まで築いてきた自分の人間関係や性格やアイデンティティが全部ひっくり返りそう…という不安な気持ちがあります。

体験談を読んでから打つことを決めるまで

それから家に帰って、スピンラザの作用や効果、患者さんの体験談についてネットで調べました。

SMAには4つの型があり、型によってスピンラザを打つ頻度も違います。
私は2型なので、初回の4週間後に2回目、2回目の8週間後に3回目、4回目以降は半年に一回打つという決まりです。
打つたびに入院しなければならないのが一番嫌でした。

体験談を読んだところ、入院の期間も病院によって様々で、長くて四泊五日、短い人は日帰りでOKという記事もありました。
私が調べた主観ですが、二泊三日の病院が多いようでした。

スピンラザはかなり高額(932万!)な薬なこともあって、普段通っている病院では投与してもらえず、何時間もかけて県外の病院までいかないといけない人も多く感じました。
私も紹介されたのは県外の病院です。

効果は少し筋力が改善したか、あまり変わりがないかのどちらかという印象でした。
ネットでかなり調べましたが、子供の患者さんの体験談は結構ありましたが、成人の患者さんはあまりありませんでした。

呼吸器系は進行すると苦しいこともあるので、色々調べた結果、進行を抑えられるなら打つ価値はあるかなと思いました。
あまり期待はせず、少しでもよくなったらラッキーくらいの気持ちで、大学病院を受診することに決めました。

大学病院受診(2018/5)

神経内科で診てもらうことになりました。
予診の先生はすごく話しやすい先生でしたが、本診の先生はちょっと話しにくくて、色々検査するために2~3週間入院してくださいと言われ、かなり意気消沈して帰りました。

受診後から入院まで

入院中ヘルパー使えない問題

なぜ入院が嫌なのかというと、入院中はヘルパーが使えないからです。

普段重度訪問介護を利用して24時間ヘルパーの介助を受けて生活していますが、入院中は利用できない決まりになっています。

病院のスタッフがいるから必要ないでしょと思われてしまうかもしれませんが、移乗やトイレ、体位交換、体幹装具の着脱などの介助は慣れたヘルパーでないと難しいです。
初めて会った看護師さんに口だけで伝えようと思ってもなかなか伝わらず、入院時はかなり我慢していました。

病院のスタッフは人数が限られているので、トイレに行きたいと思ってもすぐには介助してもらえません。
トイレなどの時に女性のスタッフを希望すると、人がいないので怒られる時もあります。

これは決して病院のスタッフが悪いのではなく、病院の仕組みの問題だと思います。
病院は命は全力で守ってくれますが、私のような常に介助が必要な人の生活のサポートをする機能は備わってないのです。

そこで2018年度から「入院中のコミュニケーション支援等」という制度が始まりました。
入院中も重度訪問介護を使えるようにしようという制度です。
長い入院になるので、ぜひ使いたいと思いました。

しかし蓋を開けてみると、実際の介助は看護師がしなければならず、ヘルパーができることはあくまで助言だけというよくわからない制度でした。

ヘルパーがそばにいて助言してくれるだけでも違うだろうと思い、行政と交渉しましたが、なかなかうまくはいきませんでした。
病院を交えての会議を何回かしなければならず(しかも本人は出席不可)、支給決定も入院当日でした。
しかもヘルパーが1日病院に付き添っても、お金が払われるのは実際に助言した時間だけです。
1日最大で5時間で、使える期間は5日間、また同じ病院に入院しても2度と支給はしないということでした。

私のヘルパーはそれでもいいよと言ってくれたので本当にありがたかったですが、これで支給されても来てくれる事業所はあるのでしょうか?

後でその制度を使ったことのある他県の人に聞いたら、そんなことはなく普段と同じように使えたみたいです。

障害福祉の制度ではあるあるだと思いますが、この制度も自治体によって対応がバラバラみたいです。
こういう制度ができただけでも大きな進歩だと思いますが、私たちの生活の実情と制度の乖離はやっぱりまだまだあります。
杓子定規でなく、私たちの実生活に即した制度に代わっていくことを願っています。

※追記(2019/12)

人伝に聞いたのですが、行政に申請しなくても、普段支給されている時間は、入院中でも普段通り重度訪問介護を使えるようになったらしいです。

ただし、吸引などの医療行為は看護師がしなければならず、ヘルパーが介助に入ることも病院に許可を取らないといけないみたいです。長期の入院になる場合は行政に相談しないといけないみたいです。

まだ自分では利用したことないので何とも言えませんが、実際に利用できたらまた追加します!

指定難病の受給者証

スピンラザを打つまでに指定難病の受給者証をもらう必要がありました。
SMAは指定難病なので、受給者証があると医療費の助成が受けられます。
スピンラザは高額なので、受給者証がないととても払えません。

医者に診断書を書いてもらい、住民票や課税証明書、保険証のコピーなど必要な書類を用意して都道府県に申請します。
月の上限金額はその人の収入によって区分が分かれています。
ちなみに私は月5000円(食事代は別)以上はかかりません。
受給者証は結構大きめで持ち運びにくいです(笑)

検査入院(2018/7)

2~3週間といわれていた入院は結局1週間になりました。
ついでにスピンラザの初回を打ってしまおうという話でしたが、受給者証が届くのに時間がかかるので、届いてから再度入院することになりました。
主治医の先生と初めて会いましたが、話しやすい先生でとても良かったです。

1日目

採血、レントゲン、心電図

レントゲンは装具なしの座位があったので座位保持がうまくできず死にかけました。
だって手すりも背もたれもないんです!!!
ルンバールのためだと思いますが、側臥位の前屈もありそれもうまくいかず5回ぐらい撮られました。
採血は3回刺されました。

2日目

PTの評価、OTの評価、MRI(上半身)、CT、診察

初めてのMRIでちょっと怖かったです。

3日目

PT、OT、MRI(下半身)

入院中は毎日リハあるみたいです。

次の日から三連休で特に検査もないので帰ってもいいと言われ、家に帰りました。

4日目

ルンバール、採血、神経伝導速度検査

神経内科の主治医の先生にルンバールしてもらったのですが、この日神経内科の先生がうまく針を入れることができなかったら、本番は麻酔科の先生に頼むと言われました。
麻酔科の先生の方が得意な分野のようです。

SMAの人は側弯(背骨が曲がっている)があることが多く、ルンバールがかなり難しいみたいです。
私も側弯があるのでかなり難しいみたいですが、MRIやCTで画像を取ったところ、針が入る隙間はあるので大丈夫だろうと言われました。

初めての体験でとてもドキドキしていましたが、なんと一発で入ったのでとても良かったです。
最初にする局所麻酔は痛いですが、ルンバール自体は麻酔が効いているので、痛くはなく、針が入ってくるな~っていう感触がするだけという感じでした。

最初に前屈の姿勢を整えるのに時間がかかりましたが、全部で40分くらいで終わりました。
終わった後は仰臥位で90分安静にするよう言われました。頭痛や吐き気などの副作用も全くなく、無事終わって安心しました。

ネットの体験談では手術室で処置したという方もおられましたが、私は病室のベットで先生と看護師さんの二人係でした。
ついでに髄液を検査に出し、終わった後は採血もありました。

ルンバールは無事終わりましたが、神経伝導速度検査が激痛でした。

5日目

OT、PT、脳波、呼吸機能検査

特に痛い検査もなく終わりました。

6日目

体性感覚誘発電位、MRI(頭部)

体性感覚誘発電位は神経伝導速度検査と似たような検査ですが、痛みは少しマシでした。この日が最終日で無事家に帰りました。

スピンラザ1回目(2018/9)

1日目

採血、レントゲン、心電図、PT、診察

2日目

スピンラザ投与、採血、PT、OT

朝食は絶食で10:30頃からルンバールが始まりました。

今回は前回と違ってなかなか針が入らず、何回も刺されていたかったです。
途中で麻酔が切れてくるので、局所麻酔も3回打ちました。
針が神経に触ると多くの人は足がビリっとするみたいですが、私はお尻が痛くて「右のお尻が痛い、左のお尻が痛い」を連呼していました。

結局入ったので、無事スピンラザ投与できました。
家に帰ってから針の後を数えたら7か所ありました。
数日間は座ったり寝たりの動作をしたときに針を刺したところが痛かったです。

「ちょっとした姿勢の違いで場所が全然変わってくるね…この前はまぐれかも。ま、前回と全く同じ姿勢を作るなんて不可能だよね」と先生は言っていました。

3日目

めまい、頭痛、発熱などの副作用もなく朝の9時に退院しました。

スピンラザ2回目(2018/10)

1日目

レントゲン、心電図、神経伝導速度検査

相変わらず神経伝導速度検査は痛かったです。

2日目

PT・OTの評価、スピンラザ投与、診察

自分では変わりはないと思っていましたが、OTの評価で指先の筋力が前より少し上がってました。
先生も「指先の神経伝導速度検査も前より少し良くなってるから、これはちょっと期待できるかも」と言われました。
たった一回で成果が表れるとは!自分でもびっくりしました。

ルンバールは前回よりも針が刺さらず、結局2時間くらいかかりました。麻酔も結構打ちました。
先生も「他の先生にバトンタッチしようかな」と言うほどでしたが、結局入ってスピンラザ投与できたので良かったです。

針刺されるのも結構慣れてきたし、先生や看護師さんとおしゃべりしながらなので、意外と和気あいあいな感じです(笑)

3日目

副作用もなく、無事帰宅しました。
数日間はやっぱり刺されたところが痛かったです。

スピンラザ3回目(2018/12)

1日目

神経伝導速度検査、OTの評価、採血、心電図、肺機能検査

採血の針がなかなか刺さらず、まさかの先生が採ってくれました(笑)

OTの評価では指先の方が前回より少し筋力が上がったと言われました。

2日目

スピンラザ投与、PTの評価、診察

今回は早く針が刺さり、40分くらいで終わったので楽でした。
毎回意外な角度で針が入るらしく、先生も参っている様子でした(笑)

PTの評価では変わりなかったです。

診察では「やっぱり前より少し筋力が上がったね」と言われました。
神経伝導速度検査は相当筋力が改善しないと結果に表れないらしく(手足の温度や乾燥も影響する)、特に変化はなかったです。

3日目

副作用もなく無事退院しました。次回からは半年おきに打てばいいので嬉しいです(笑)

スピンラザ4回目(2019/5)

1日目

呼吸機能検査

検査が一つだけで暇でした。

呼吸機能検査の結果が悪いと言われましたが、いつもはベッドで寝た姿勢で検査するけど、今回は車いすでやったからだと思います。

2日目

スピンラザ投与、採血、神経伝導速度検査、PT・OTの評価、診察

今回は一発で針が刺さったので、まったく痛くなく、とても最高でした!!!!!
しかも麻酔を打つ前に麻酔を背中にかけるという方法を先生が学ばれたそうで、麻酔もあまり痛くなかったです。
30分もかからず処置全体が終わりました。

神経伝導速度検査はやる度になぜか手足にブツブツが出ていたのですが、金属アレルギーっぽいのでスポンジに変えてもらったところ、ブツブツ出ませんでした。

リハの評価は特に変わりなかったです。

3日目

副作用もなく無事退院しました。針が一回で入ったので背中も痛くなくて最高でした。

スピンラザ5回目(2019/12)

1日目

レントゲン、心電図、神経伝導速度検査、呼吸機能検査

神経伝導速度検査は相変わらず痛かったです。

呼吸機能検査は前回と変わらないみたいです。

2日目

スピンラザ投与、採血、診察

今回は針がなかなか入らず、10:30から準備して全部終わったのは12:00でした。針が神経に触るとやっぱりお尻が痛かったです。久々に何回も刺されたので、精神的ダメージもありました。先生も「1人で反省会する」と、ダメージが効いているようでした苦笑

採血は一発で入って良かったです!

診察では特に変わらなかったです。

今回はなぜかリハの評価なかったです。

3日目

無事に朝退院しました。

たくさん刺されたので、まだ背中が痛みます。頭が少し痛いけど、強い痛みではないので、副作用ではなさそうです。

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